欧米では、エアカーテンの普及が特に以下の業界で顕著に進んでいます。
主にエネルギー効率の向上や室内温度、空気の質の維持、コスト削減、 汚染物質や害虫の侵入を防ぐためのニーズなどが背景にあります。
日本での普及も今後大きく進むものとみられます。
工業・製造業
工場・製造ライン:欧州の自動車工場や機械製造施設では、塵や油煙の 拡散防止にエアカーテンが採用されています。ドイツでは塗装ブースの入り口 に設置し、作業環境の安全性を向上させています。
エネルギー施設:発電所や石油精製プラントでは、有害ガスや粉塵の外部流出 を防ぐため、非再循環型エアカーテンが導入されています。
物流業界・食品加工
物流倉庫:Eコマースの拡大に伴い、ドックシェルター(荷捌き場)での使用 が増加。外気の侵入防止と従業員の作業環境改善が主な目的です。ごみ処理施設では、臭気や害虫の流出を防ぐため、施設の入り口や間口にエア カーテンを設置することが一般的です。
食品工場・冷蔵倉庫:米国や欧州では、食品の衛生管理と省エネを目的に、 搬出入エリアにエアカーテンが設置されています。冷蔵庫の扉開放時の冷気 損失を防ぎ、エネルギーコストを最大80%削減した事例もあります。
商業施設
小売店・ショッピングモール:出入り口の多い商業施設では、冷暖房エネルギー の損失を防ぐためエアカーテンが広く採用されています。例えば、欧州では ショッピングモールやスーパーマーケットやホームセンターで導入が進み、 冷暖房費の30%削減を実現した事例も報告されています。
ホテル・レストラン:ドアの頻繁な開閉による温度変動を抑制し、顧客の 快適性を維持するために利用されています。米国では高級ホテルや飲食店で 「煙の拡散防止」や「防虫」機能を兼ねたモデルが人気です。
医療・製薬施設
病院・クリーンルーム:室内の衛生環境維持が求められる医療施設では、 外気中の塵や微生物の侵入防止にエアカーテンが活用されています。 欧州の病院では、待合室や手術室の入り口に設置され、温度管理と感染症対策 を両立しています。
製薬工場:GMP(適正製造規範)基準に準拠するため、空気の清浄度を保つ 目的で導入が進んでいます。
交通・公共インフラ
空港・駅・バスターミナル:欧米の空港では、自動ドアからの冷気侵入を防ぐ ため、旅客ターミナルにエアカーテンを設置。 米国・ダラス空港では、エネルギー消費量の削減と快適性の両立を実現しています。
公共交通機関の駅舎:冬場の氷結防止や夏場の冷房効率向上を目的に、北欧の 鉄道駅で導入が進んでいます。
建築・建設業
省エネ基準適合建築:欧州連合(EU)の「建築物エネルギー性能指令(EPBD)」 に基づき、新築・改修ビルでエアカーテンの導入が義務付けられるケースが 増加しています。特にドイツや英国では、断熱性能評価の加点対象として 位置付けられています。
その他、以下のような施設でも普及が進んでいます。
飲食店 半導体製造業 ホテル・宿泊施設 学校・教育施設 商業用オフィスビル 自動車産業 スポーツ施設(ジム、アリーナ) 公共施設(図書館、博物館)データセンター 農業施設(温室、農場) 化学工場 倉庫型巨大店舗 娯楽施設(映画館、テーマパーク) 研究施設 美容・スパ施設 ペットショップ・動物病院 軍事施設 印刷製本業 クリーニング業界 展示会場・コンベンションセンター etc…
これらの業界では、エアカーテンの設置が今後も拡大すると予測されています。 |